大声で怒る・歩きまわる等のBPSDは、認知症の方にとって何か理由があっての行動です。安定剤に頼るケアでは、認知症の方のどのような気持ちがそのBPSDに隠れているのかということが見逃されてしまいます。当ホームでは、入居者様の『楽しい・嬉しい』だけでなく『怒り・不安』の感情も守りたい‼という思いからタイトルにある挑戦を続けています。入居者A様はBPSDの中でも特に暴言の出現が多い方です。『人殺し』『私のこと殺そうと思ってるんやな』辛い言葉を口にされることもありました。そのような状態の中、A様は怒っている時でも、職員が『ただいま』と声をかけると『おかえり』と温かい声色で返して下さることを発見しました。ホームを自宅のように想っている職員達が出勤時に何気なく使っていた『ただいま』の言葉。気分の良い時には『我が家(ホーム)が一番』と言って下さるA様にとっても安心できる家族の言葉だったようです。この言葉でA様の気分の切り替えができるようになりました。A様のBPSDの激しさに1度、安定剤を使用しました。安定剤を服用したA様は『自分が壊れていくみたい』と口にされすぐに中止しました。A様の言葉を忘れず、入居者様を守ることができる強さのあるグループホームを目指します。グループホームフロアリーダー柿本優希